旧館
他言は無用
- Richard Hull著,越前敏弥訳
- 東京創元社 創元推理文庫Mハ6-2 \600+消費税
- ISBN4-488-12502-6
- クリスティの跡を継ぐような,人物などを丁寧に書き込んだミステリー。「推理」としても「小説」としても,出来がいい。★★★★☆(2000年12月28日)
麻薬取締官
- 鈴木陽子著
- 集英社 集英社新書0051B \660+消費税
- ISBN4-08-720051-5
- 現在医師である著者が,麻薬取締官のであったころの知識・経験・人脈から,薬物・薬物犯罪・薬物犯罪取締りについて現した著作。★★★☆☆(2000年12月28日)
ホメロスを楽しむために
- 阿刀田高著
- 新潮社 新潮文庫あ7-24 \552+消費税
- ISBN4-10-125524-5
- 有名な「イリアス」「オデュッセイア」を,読みやすく書いたもの。面白かった。★★★★☆(2000年12月26日)
世界の鉄道旅行案内
- 櫻井寛著
- 講談社 講談社現代新書1518 \940+消費税
- ISBN4-06-149518-6
- 著者は,プロのフォト・ジャーナリスト。鉄道がメインかな?ヨーロッパのオリエント急行から始まり最後は南アメリカまで,世界中の名だたる列車・鉄道を,カラー写真も交えて紹介している。是非乗りに行きたくなる。★★★★☆(2000年12月23日)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
平家物語
- 長野じょう一著
- 社会思想社現代教養文庫 \560+消費税
- ISBN4-390-10632-5
- 平家物語の現代語翻訳版。外国語の本も日本語訳版を読むのだから,古典を現代語訳した版を読むのもいいのだろう。分かりやすく,取っつきやすくて良い。★★★★☆(2000年4月9日)
-
レーニンをミイラにした男
- Ilya Zbarski, Samuel Hatchinson著 赤根洋子訳
- 文春文庫 \638+消費税
- ISBN4-16-730994-7
- レーニンの死後,その遺体は薬品によって永久保存処理され,レーニン廟に安置された。これは,その処理に当たった科学者の息子が,当時の様子を綴ったもの。もちろん,どこまでが真実かは分からないが,それらしくは書いてあるし,なかなか面白い。★★★★☆(2000年4月9日)
-
ゴシックとは何か 大聖堂の精神史
- 酒井健著
- 講談社現代新書 \680+消費税
- ISBN4-06-149487-2
- この本は,大分前に読み始めたんだけど,どうにも興味がわかなくて,あとから読み始めた本がどんどん終わっても,まだ残ってしまった。宗教や哲学の話が深く絡んできて,好きな人には面白いんだろうけど,どうも苦手な分野だ。★☆☆☆☆(2000年4月8日)
-
サラブレッド・ビジネス
- 江面弘也著
- 文春文庫091 \680+消費税
- ISBN4-16-660091-5
- 日本人グループによる世界の名馬(と言われる)ラムタラの購入を軸に,馬主ビジネスを書いた著作。今や,日本の馬産は世界に引けを取らないと言うのが著者の主張。確かに,日本産の馬も超一流馬は世界レベルだと思うけど,日本のレースでもマル外が強く,日本の馬産地が重賞競争の対外開放に否定的である現実を見ると,そう言いきれるか...★★★☆☆(2000年3月19日)
-
真実の『三国志』 〜活劇!三国志正史〜
- 大澤良貴著
- 宝島新書 \690+消費税
- ISBN4-7966-1722-1
- 三国時代を,正史を基本に通史の形にまとめた著。著者が三国志にのめり込んでいるだけに,面白く書けている。でも,正史をはみ出している部分もあるし,著者の評価が強く入っているので,これが正史だと思うと,大間違い。★★★★☆(2000年3月19日)
-
江戸の蘭方医学事始 阿蘭陀通詞・吉雄幸左衛門耕牛
- 片桐一男著
- 丸善ライブラリー \780+消費税
- ISBN4-621-05311-6
- あの平賀源内や杉田玄白らに蘭語を教えた長崎の通詞吉雄幸左衛門の事績を綴った著。華やかな弟子たちの陰に隠れてしまい,あまり注目されない人物であるが,その功績は非常に大きいことが分かる。ただ,読み物としては,あまり面白くはできていない。★★★☆☆(2000年3月19日)
-
心霊写真
- 小池壮彦著
- 宝島新書 \680+消費税
- ISBN4-7966-1724-8
- オカルトや反オカルトではなく,心霊写真といわれる類をめぐる社会や,「心霊写真」と「念写」の対立などの論評。なかなか面白かった。戦前の政府や自民党が,共産党(主義)対策にオカルトを利用する話は,巷間よく言われるようなことだが,いかにもというような気もする。★★★☆☆(2000年3月16日)
-
ミステリーの都ロンドン ゴースト・ツアーへの誘い
- 石原孝哉,市川仁,内田武彦著
- 丸善ライブラリー307
- ISBN4-621-05307-8
- イギリス人の幽霊好きは,世界でも一二を争うでしょう。その本場,ロンドンの幽霊ガイドブック。イギリス史の勉強にもなってしまう。★★★☆☆(2000年3月3日)
-
エリザベスI世
- 青木道彦著
- 講談社現代新書 \680+消費税
- ISBN4-06-149486-4
- 有名なイギリスの女王(在位1558−1603)の,簡単な伝記。女王としての治世が主。知識的には,知っていることがほとんどで,それほどの興味はひかれなかった。★★☆☆☆(2000年2月7日)
-
そして謎は残った -伝説の登山家マロリー発見記
- Jochen Hemmleb,Larry A. Johnson,Eric R.
Simonson著 海津正彦,高津幸枝訳
- 文藝春秋 \1762+消費税
- ISBN4-16-355900-0
- 1924年にエヴェレストで消息を絶ったマロリーの調査遠征隊による,マロリーの遺体発見記。ちょっと冗長だが,内容は,よく知らなかったことがほとんどで,興味深かった。特に,1999年に発見されたマロリーの遺体の状況及びそれから推測される事は,興味深い。マロリーが登頂に成功したか否かは,当時から議論されてきたことであるが,この本では,成功した可能性が高いという結論になっており,その推論過程は妥当なものと考えられる。★★★★☆(2000年2月2日)
-
超常現象の心理学 -人はなぜオカルトにひかれるのか
- 菊地聡著
- 平凡社新書 \660+消費税
- ISBN4-582-85028-6
- 超常現象信奉者に対する批判書。著者は,この方面では有名な,認知心理学・神経心理学者。雑誌「月刊百科」の連載をまとめたもので,内容的には,この手の話に興味を持っている人ならどっかで聞いた話がほとんど。宇宙人の来訪や血液型性格判断を「信奉」している人には一読して考えて欲しい本ではあるが,そういう人はこの本を読んでも結局は信仰を曲げたりはしないだろうなあと思う。それにしても,この本の想定読者のうちで,どれほどの人が「『ここまで読んだ全国五千万の血液型ファンは次にこう言う!』というのは、ジョセフ・ジョースター氏ならずとも読み切ることはできる。」って理解するんだろう?★★★☆☆(2000年2月2日)
-
大江戸死体考 -人斬り浅右衛門の時代
- 氏家幹人著
- 平凡社新書 \680+消費税
- ISBN4-582-85016-2
- 江戸時代の御様御用(「おためしごよう」と読む。将軍家の試し斬り)を勤めた山田浅右衛門を中心に,江戸時代における試し斬り(刀の切れ味を試すために死体を斬る)の事,さらに江戸にごろごろしていた死体,死体から作った薬など,びっくりする話が,豊富な資料を本に描かれている。★★★★☆(2000年2月2日)
-
大江戸生活事情
- 石川英輔著
- 講談社文庫 \544+消費税
- ISBN4-06-263431-7
- 江戸の生活を現代の生活と比較した著作。同じ地点の地図を並べたりして,なかなか面白い...はずなのだが,いかんせん,著者の評価が強く入りすぎている。しかも,それが,江戸時代を賛美し,欧米の社会・文明や現在の日本,そして「お偉い進歩的文化人」を批判してばかり。かつ,その批判の論理が破綻していたり,事実を無視していたり。★☆☆☆☆(2000年1月25日)
-
介護保険 何がどう変わるか
- 春山満著
- 講談社現代新書 \660+消費税
- ISBN4-06-149484-8
- 著者は,進行性筋委縮症にかかり現在は首から下の四肢が動かない。それだけに,「介護」のあり方については,非常に分かりやすい説得的な記述がなされている。また,ヨーロッパとアメリカの,正反対な保険制度についても,分かりやすい。(よく報道もされているが,)欧米の介護施設における職員のプロ意識には,学ぶべきところも多いと思う。ただ,本の題名になっている日本の介護保険がどうなるかという点については,書かれた分量も多くなく,介護についての内容がすばらしいだけに,がっかりである。★★☆☆☆(2000年1月14日)
-
外国人問題弁護ノート外国人問題弁護ノート
- 石田武臣,近藤博徳,三木恵美子,梓澤和幸著
- アルク \880+消費税
- ISBN4-7574-0157-4
- 外国人問題を数多く手がけている弁護士によるノンフィクション。一口に外国人問題といっても,出入国・滞在の問題,結婚の問題,子供の問題,犯罪と,分野は非常に広い。近年の日本経済は外国人労働者に支えられているといっても過言ではない状況があるだけに,外国人問題は今後さらに増えると思われ,どんな問題があり得るのか概観するためには,手軽な本。★★★☆☆(2000年1月8日)
-
戦う石橋湛山
- 半藤一利著
- 中公文庫 \686+消費税
- ISBN4-12-203555-4
- 大正から昭和にかけてのジャーナリストであり,後に首相になった石橋湛山が書いた記事の対照として,当時のマスコミ,特に新聞が,世論を戦争へと導く様子を明らかにした作品。巷間よく言われるようにマスコミが軍部に強制されたのではなく,マスコミが主体的に世論をあおった様子が,当時の記事の引用からよく分かる。★★★☆☆(2000年1月1日)
-
毛沢東 最後の女
- 京夫子著 船山秀夫編訳
- 中公文庫 \933+消費税
- ISBN4-12-203538-4
- 毛沢東には4人の妻と多数の愛人たちがいたが,その1958年から死ぬまで,その愛人であり身の回りの世話をしていた女性を中心に,当時の中華人民共和国の政争を描いた作品。原著は558ページに及ぶ大作であるが,本書はその約4割を訳したもの。登場人物は,一部仮名。著者も仮名だそうである。★★★☆☆(2000年1月1日)
-
シャーロック・ホームズ クリスマスの依頼人
- Martin H. Greenberg,Carol-Lynn Waugh編 日暮雅通訳
- 原書房 \1800+消費税
- ISBN4-562-03262-6
- シャーロック・ホームズの,クリスマスに絡むパスティーシュ11編。中には,同時代の他の文学作品,あるいは同時代人を取り込んだ作品も。全体的に,出来がいい。★★★★★(1999年12月28日)
-
血文字の罠
- William Harrington著 谷崎晃一訳
- 二見文庫 \543+消費税
- ISBN4-576-99207-4
- テレビのノベライズ版ではなく,オリジナル作品。そのせいか,パスティーシュのような雰囲気があり,あまり評価できない。★★☆☆☆(1999年12月28日)
-
犬の弁護士事件簿
- Linda A. Cawley著 朝倉あや訳
- 河出書房新社 \1600+消費税
- ISBN4-309-90365-7
- 著者は,アメリカの弁護士。犬に関する事件を多数手がけている,ちょっと変わった人。もちろん,犬自身が訴えたり訴えられたりするのではなく,飼い主が当事者となっての事件。実質的には犬の利益を守るための仕事も多いが,中には,飼い犬が他人に怪我をさせたとして刑事訴追を受けている人の弁護事件もある。また,それらの事件を通して,日本とはやり方が随分違っているアメリカの裁判の様子も垣間見ることができる。★★★★☆(1999年12月18日)
-
商人たちの明治維新
- 大島栄子著
- 花伝社 \1500+消費税
- ISBN4-7634-0322-2
- 島崎藤村の「夜明け前」のモデルとなった,木曽・中津川での牛方騒動の一方の主人公間杢右衛門の生涯を中心に,地方豪商にとっての幕末・明治維新を描いた,ノンフィクション。幕末・明治維新というと武士や武器商人などが脚光を浴びるが,地方豪商たちの人生も,非常に興味深い。杢右衛門が残した日々の記録を基にしているだけに,生き生きとした生活が実感できる。★★★★☆(1999年12月13日)
-
徳川秀忠 「凡庸な二代目」の功績
- 小和田哲男著
- PHP新書 \657+消費税
- ISBN4-569-60859-0
- 家康と家光に挟まれ,とかく評価の低い秀忠を再評価したもの。資料に基づき,家康から徐々に権限が委譲されて行く様,家光に将軍職を譲り大御所となってからの行動を検討し,秀忠が単なる凡庸な将軍ではなく,創業者の後継者としての能力を見直す。秀忠の能力を評価する点では,私好み(私としては,関ケ原の合戦時の行動も,単に真田の罠にはまったのではなく,裏があるんじゃないかとも想像したいけど)。★★★☆☆(1999年12月13日)
-
裁判官は訴える!
- 日本裁判官ネットワーク著
- 講談社 \1800+消費税
- ISBN4-06-209818-0
- 現役裁判官たちが,仕事で・生活で考え,実践しようとしていること,苦しみを述べた,裁判官の実像。アメリカを初めとする諸外国とは異なりまったく発言しようとしない日本の裁判官の中にあって,珍しい発言集。各裁判官が,書きたい分野について書きたいことを書いているが,読んでいると,「仕事がこんなに大変なのか。」ということだけではなく,「こんな規制(自主規制)があるのか」と驚いてしまうことも多い。★★★★☆(1999年12月8日)
-
ザ・ホテル
- Jeffrey Robinson著 春日倫子訳
- 文春文庫 \695+消費税
- 著者は,イギリス・ロンドンの超一流ホテル「クラリッジ」に5か月間滞在し,取材。韓国大統領の滞在やクウェートの首長によるエリザベス女王を迎えての晩餐会を軸に,超一流ホテルにおける従業員の世界を描くノンフィクション。★★★★☆(1999年11月17日)